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君の手のひらの怪文書

とある百合厨のうわ言

ED主題歌に見る穂村すず子の精神性

はじめに

 なんかちょっと批評っぽいタイトルを付けてみましたが、当然ながら真に受けるような記事ではないことを先に断っておきます。中身はいつもの与太話です。ED主題歌の「undeletable」を穂村すず子主観の歌として(無理やり)解釈した場合にどういう妄想ができるかな〜というだけの話です。

 それはそうと、こないだ書いたちなすず首絞めセックス記事に関するTwitterでのコメントの多くが「こいつやべえ……」みたいな感じだったので、ちなすずオタクには頭のおかしいキモオタクしかいないと思われやしないか不安になってきました。とか言いながら今のところちなすず首絞めイラストしか描いてないので誤解を解く気が無さ過ぎますね。反省はしていますが行動に反映されるとは限りません。

1.「undeletable」を穂村すず子の歌とする根拠

 与太話とはいえ、自分の解釈を開陳するならやはりその根拠を説得的に述べようとする気がなければ駄目だと思うので頑張って書いていこうと思います。

 まず冒頭の「小さな手を引くのが 誰か思い出せない」という部分ですが、ここでED映像を思い出してみてください。EDでは「すず子の手を引いて走る千夏」の姿が描かれています。単純に映像が歌詞に当てはまるというだけではなく、「手を引く」という行為を比喩的に捉えた場合も、やはりこの部分はすず子視点であることが察せられます。幼いすず子はいつも千夏に励まされてきました。逆上がりが上手くできなかったときも、二人三脚を走る勇気がなかったときも、ためらうすず子を導いてきたのは千夏です。

 この関係性はEDのAメロパートの映像からもわかります。Aメロの終わり頃、冬服の千夏とすず子が階段を上る姿が映されますが、このとき千夏はすでに階段を上りきり、すず子が上がってくる様子を屈んで見下ろしています。まずこの位置関係自体がすず子と千夏の潜在的な上下関係を表しているとも考えられますし、膝を折って階段を上ってくるすず子を待つ千夏は、まるで小さな子を見守る母親のようにも見えるのが若干不気味です。(不気味と言いつつ個人的に凄く好きなシーンです)

 もっと言うと、最初の二つのシーン(春、夏)ですず子の方が千夏よりはしゃいでいて、その様子を千夏が近くで見守っているという構図も、ちなすずの「母と子」に近い関係性を強化しています。まあ母親云々は言い過ぎ感がありますが、やはり千夏が「手を引いて導く側」ですず子が「導かれる側」だったのは間違いないでしょう。

 歌詞をすず子主観とする根拠はもう一つあります。歌詞の二番には「その手をつかみたくて がむしゃらに駆け出した 身体を突き動かす熱情 守るため戦う」という部分があります。

 今のところ、千夏は自分の心を縛るすず子の存在を振り払うために戦っています。そうなるとすず子は今後、自分から逃げ出そうとする千夏の手を掴むために戦おうとするはずです。かつて自分の手を引いてくれていた人を、今度は自らその手を掴むために追いかける。そしてその手を引っ張ってこちら側に取り戻さなくてはならない。お話の構造として綺麗ですし、変化球をぶん投げてこない限りはこういうストーリーラインで確定なんじゃないかと思います。要するに、上記の歌詞に当てはまる立場にいるのはすず子であるということ言いたいわけです。

 また、これはさらにこじつけ度が高いのですが、本家TCGWIXOSSのカードテキストに歌詞のこの部分と照らし合わせることができる記述があります。

 もともとWIXOSSのルリグカードのフレーバーテキストはアニメやスピンオフコミックの展開を暗示する内容のルリグの台詞または解説だったり、実際にその台詞を本編のルリグも喋ったりということがあるので、(さすがに歌詞との連動を疑うのはやり過ぎだとしても)今後の展開を妄想する際の良い材料になります。

 本題に入ります。WIXOSS第15弾カードパックの「インサイテッドセレクター」に収録されている、リルのレベル4カード≪決死の記憶 リル≫のシークレット版(箔押しサインカード)のフレーバーテキストを下に引用します。

 「赤き身姿、過去の記憶に縋る熱意。

 これはおそらく、リルではなくすず子の方を指した記述だと思われます。だってリル自身は生まれたばかりで過去の記憶もへったくれもないですからね。とりあえずそういう前提で見ると、すず子は「過去の記憶に縋る熱意」を持った少女となるわけですが、「undeletable」の歌詞にも同じようなフレーズが出てきましたね?そう、「身体を突き動かす熱情」です。

 単なるこじつけじゃん……と思ったそこの貴方、そうですその通りです。ですがここは個人ブログであり、最初に断った通りただの与太話記事です。ですからこじつけでもなんでもいいのです。「あーそういう見方もできるのか〜へー」でいいのです!

 言い訳はこの辺にして、要するに私が言いたいのは、「熱意/熱情」というカードテキストとの類似が「undeletable」の歌詞はすず子主観だと解釈できる根拠であり、同時に(今後の)穂村すず子の精神性を解釈するキーワードになるのではないかということです。

2.穂村すず子の精神性

 現在の穂村すず子は、「熱意/熱情」という言葉から連想される人間性からは程遠いように見えます。セレクターバトルには非常に消極的であり、記憶を消したくないけどバトルをするのも怖い、と優柔不断で臆病な面が強調されています。(まあ普通そうなるやろという気もしますが……)セレクターバトル以外でも、転校先で友達を作れないでいたり自己主張が弱かったり、とにかく後ろ向きで逃げ腰です。(ウィクロスシリーズのモブは性格悪いのばっかりなのにどうやって友達作るんだよという感じですし、一応すず子も努力はしていたのでここまで言い切るのは酷な気もしますが)

 しかし、そんな彼女が唯一積極性を見せる場面があります。それはもちろん森川千夏絡みのことです。バトル怖いよぉ……と怖気付いても、リルが千夏の言葉を引用して励ませば前を向いて戦えるし、死ぬほど性格が悪くて行動も危険な匂いのする男×2に対しても、「ちーちゃんの身が危ない」となればまっすぐ渡り合うことができます。

 穂村すず子は(様々な環境要因が重なって)非常に消極的な性格ですが、森川千夏のことが絡めば積極的に危険なことにも挑んで行ける、それが4話までの穂村すず子です。

 しかし!4話ラストで、今までずっと心の支えにしてきた、すなわちすず子にとっての「生きる理由」といっても過言ではない存在であった千夏から直々に拒絶されることになります。これを書いてる段階ではまだ5話が放送されていないので、千夏に拒絶されたことに対しすず子がどう反応するのか正確なところはわかりません。しかし、「undeletable」の歌詞やEDの映像から、すず子が今後どう森川千夏に向き合い、思考がどのように変化するのか、あるいはもともと持っていたが抑圧されていた性質を解放するのか、それを妄想することができるんじゃないのか?と考えてこの記事を書いています。

 結論から言ってしまうと、すず子は主人公に相応しい、理不尽なシステムと戦う強い意志と精神を持った人間になっていくのだと思います。そしてその「熱意/熱情」が向かう先は当然森川千夏だと思うのですが、どういう形で表出するのかは未知数です。それを探るために「undeletable」の歌詞を見ていきます。

 歌詞のサビでは「消したくない」「消せやしない 」というフレーズが繰り返されます。森川千夏との思い出を消したくないというのは1話から一貫していますが、「消せやしない」という言い回しはとても強力な否定です。セレクターシステムにも森川千夏にも自分の思い出は否定させない、否定することはできないという覚悟と意志が感じられます。今後物語が進む中で、すず子が千夏、ひいてはセレクターシステムそのものの思惑に「熱意/熱情」を持って対峙するようになるのでしょう。そうなるのは物語的に必然ですが、すず子がどのようなプロセスを経て覚悟を決めていくのか楽しみです。

 また、「戦う」というフレーズもBメロで繰り返し登場します。この辺にもすず子の覚悟が見て取れます。4話まではバトルに対し非常に消極的な態度でしたが、千夏の変貌を突きつけられることで徐々にバトルに対して能動的になっていくのでしょう。「破滅的な行動をするちーちゃんを止めたい」だとか、前作のようにセレクターバトルは勝っても負けても誰も得をしない仕組みだということが判明して「ちーちゃんや他のみんなをゲームから救いたい」とか、動機としてありそうなのはその辺ですかね。

 ついでに、すず子は現時点でも覚悟さえ決めれば危険なことにも真っ直ぐ立ち向かっていける人間なので、彼女の使う色が赤であることは意外でも何でもない気がします。物語が進めば進むほど彼女の内に眠る「赤」が表れていくのでしょう。

 ていうか、それがどうやって表れるのかを考えようぜっていう記事だったはずなのに、書いててそこが一番どうなるかがよくわからなくなってきました。森川千夏との対峙とセレクターシステムそのものへの対峙がどうリンクしていくのかがまだ私には見えてきません。やっぱり森川がシステムに利用されてラスボス化するんでしょうか。そもそも森川の願いが「すず子を消す」みたいな直接危害を及ぼすものではなく「思い出を消す」というレベルのものなら放っておいて良くない?という気もします。いやすず子にしてみれば自分の心ををずっと支え続けてくれていた親友がいきなり「お前との思い出なんて要らない」とか言い出したら非常にショックだしそのままにしておけないとは思うのですが、それは絶望して戦いを放棄する理由にはなっても「絶対戦い抜いてやる」という決意にはならないのでは?という風に思います。

 ただ、すず子も森川に負けない重さと歪みを抱えた女なので、「ちーちゃんがどう思おうと私との記憶を消そうとするなんて許さない、絶対に阻止してやる」とか「ちーちゃんがそんなこと言うわけないし全部セレクターバトルのせいだ……絶対システム殺してやる……」みたいな方向で決意を固める可能性も十分あるわけですが。まあでも「いきなり鎖だのなんだのなんなんだ、こいつ最低だなこっちから縁切ってやるわ」みたいなことにならないのは確実ですね。森川がどういう態度を取ろうとしつこくその手を掴もうとするのが穂村すず子だと思います。

 気が弱そうに見えて意外と肝が据わっていて、それでいて「赤」らしい激しい熱情と、辛い環境由来の依存・粘着気質でもって森川千夏とシステムを追い詰めていくのが穂村すず子、という感じで〆ておきます。

おわりに

 大仰なタイトルを付けたくせに話が迷走してしまい、いつもよりさらに読み辛い怪文書になりました。ここまで読んでくださったみなさん、変なものを読ませてしまいすみません。ありがとうございました。