君の手のひらの怪文書

とある百合厨のうわ言

これからのちなすずの話をしよう

はじめに

 いきなり某書のパクリタイトルですみません。前回の記事のことは忘れて、今回はきちんとちなすずの話をやっていこうと思います。

 5話までのちなすずは「すず子の自分に対する依存に対して依存し、その結果頑張りすぎて壊れた森川千夏」と「意志が薄弱で森川に導かれないと自分では動けない穂村すず子」という構図でした。しかし6話でその考えは覆されます。

 そう、穂村すず子の森川千夏に対する依存は森川によって仕組まれたものであり、本来のすず子は人の輪の中心に立って周りを無意識に引っ張っていく少女だったのです。それだけではありません。前回の記事で喚いたように、森川は元からすず子に対する嫉妬心と独占欲にまみれていた女だったのです。まだまだあります。なんとすず子と森川の出会いは幼稚園時代にさかのぼり、すず子の方から一人で砂山を作っていた森川に声をかけたのがきっかけです。この頃の森川は引っ込み思案でなかなかすず子とも打ち解けようとしなかったのですが、そこをすず子がめげずに声をかけ続け、ついには心を開かせたという流れになっています。

 つまり、公式サイトのすず子/森川のキャラ説明文は、本来の関係性に基づけばまったくの大嘘、というか重要なことを何も書いていないペラッペラの解説だったのです。ちくしょうスタッフめ、騙しやがって…!!!本当にありがとうございます、ただでさえ最強だったちなすずにこういう幼なじみ特有の味わい深いエピソードまで添えていただけるなんて感謝の念に絶えません。はい、というわけで6話で起きたちなすずの大型アップデートをおさらいしつつこれからのちなすずがどうなっていくのか妄想していきましょう。

 

6話で何が変わったのか?

 「はじめに」のところで概要はサラッと書きましたが、ここでは具体的に何がどう変わってどれだけすごいのかということを一つずつ拾い上げて書いていこうと思います。

 とりあえずわかりやすいように箇条書きにしてみます。以下が6話で投下された爆弾一覧です。

  1. 森川とすず子の出会いは幼稚園にまでさかのぼり、すず子が積極的に声をかけて森川の心を開いた
  2. 見てるこっちの背筋が寒くなるような森川のすず子に対する負の感情
  3. すず子の過剰な依存心は森川が意図的に誘導して生まれたものだった
  4. 本来のすず子は人の輪の中心で笑っている太陽のような人間だった
  5. 1〜4をふまえて公式サイトの説明文を読むと色々ヤバい
  6. 1〜4をふまえて1〜5話を見直すと色々ヤバい

 こんな感じですかね。いや〜本当に衝撃的過ぎてやばかったです。一度に詰め込まれた情報量が多すぎる、最高。何が良いって、ひっくり返し方の鮮やかさですね。ちゃんと計算して作られてるんだな〜〜〜と感心してしまいます。まあその辺が逆に真面目過ぎて面白みに欠ける部分でもあったりするのですが。もっと言うと、ちなすずの関係性やセレクターシステムの謎に興味を持てなかった人にはかなりきつい構成です。

 ここからちょっと脱線して、作品自体に対する私の感想めいたものを書いておきます。『Lostorage incited WIXOSS』という作品は「穂村すず子と森川千夏の関係性のうねりをドラマのメインに据えて、カードバトルをそこに絡めつつきっちり描く」ということを限られた尺で真面目にやろうとしているなと感じます。あ、あそこの描写はここにつなげてくるためのものだったのか〜とか、限られた時間を最大限活用して見せたいものをしっかり見せてきてるな〜ブレないな〜というのがビシバシ感じ取れるので、見ていて最高に気持ちがいいです。

 ですがこういうテーマで優等生的な物語展開をさせると、必然的にメイン2人以外のキャラが舞台装置化します。生きたキャラクターではなく物語上の役割に忠実な駒に見えかねず、キャラ同士の掛け合いを眺める楽しさもかなり薄味です。とはいえそれも7話でかなり解消されたと思います。7話を見たら今まで興味なかったちなすず(とはんな)以外のキャラクターも(男含めて)すごく好きになりました。グズ田が里見のパシリになってるところとか、鳴海vs莉緒の掛け合いとか見てて楽しかった。ただまあ7話にたどり着く前に脱落した人が多そうですし、そもそも男キャラそのものが不要と言うか、客を遠ざける要因になっている気もします。(私としては重要キャラが大体男で構成されてるおかげで気を散らさずちなすずに集中できるからむしろ良かったのですが)

 男女をまんべんなく出しておいた方が色んな層にリーチできる可能性が広がるとは思いますが、そもそも原作は美少女しか出てこないカードゲームというニッチな層を狙って作られたものですし、さらに百合を意識したスタッフ選びや物語展開が各メディアミックス作品で一貫しています。このような万人受けを捨てた特定層狙い撃ちスタイルであるところと、ロストレージにおける主要登場人物の男女比が上手くかみ合ってません。私も放送前は「なんでこんなに男多いの〜?要らない〜〜〜」という感じでしたし、放送開始後もしばらく男キャラの名前を覚える気がありませんでした…。

 あとやっぱり扱ってる内容に目新しさが少なく、画面が地味になりがちなのも訴求力が低いポイントかなあという気がします。まあ前者はそもそもカードゲームの販促アニメなんだからこれ以上どう工夫しろっていうんだっつー話ですし、後者は予算の問題だからどうしようもない…。「画面見てるだけで楽しい」みたいなのをやろうとすると、金と時間と能力のズバ抜けた人間がたくさん必要になりますからね……。

 なんかさっきからロストレージのことめっちゃdisってない?と思われそうですが、私はこの作品のことがめっちゃくちゃ好きです。旧ハンター×ハンターアニメ並みにブッ刺さってます。BDもマラソン予定です。じゃあなんで?と言われると……なんででしょうね……。自分の中の盛り上がりと世間のそれとの温度差をなにげに気にしてしまっているのかもしれません。その辺の合理化行動ですかね……。ていうか多分最終回まで見たらべた褒めしかしなくなると思うので、今のうちに自分の中にわだかまるマイナス意見を吐き出しておきたくなったのかもしれないです。

 はい、というわけでちょっとどころかかなり脱線してしまいました。本題に戻ります。まずは項目1、ちなすずの出会いについてです。いやもうね……。これは「え、そこまで私に優しくしてくれるの?マジ?」という展開で、本当にうれしかった。余談ですが、ロストレージの脚本家はなんとあのアニデレみくりーな回(11話、19話)を担当した方であり、友人との会話の中でそれが判明したときは運命か?と思ったものですが(みくりーな大好き)なんとその上に、ロストレージの監督が私を百合厨に仕立て上げたOVAエイリアン9』3話の絵コンテ・演出を担当されていたと知ってひっくり返りました。これ普通にすごくないですか?私を百合に目覚めさせてくれた場面(急な大雨の中バス停で2人きりになった女の子の短い会話を経て背後からの抱きしめ)の生みの親が監督してるアニメの百合カップリングにかつてないほど大ハマりしてるんですよ?人生の伏線回収が鮮やか過ぎます。

 また脱線しました。ちなすずの話をします。まずね、「幼なじみの出会い」を描いてくれたってのが本当にありがたい。幼なじみってね、幼少期のエピソードを断片的に示してくれることはあっても、「じゃあなんで仲良くなったのか?」ってところはぼかされてたり超簡潔な台詞や一枚絵で済まされがちだったりするところがあるじゃないですか。それを限られた尺の中でちゃんと描いてくれたってのがまずうれしいし、その上その出会い方そのものが物語上ですごく意味を持つ要素になってるのがね、「物語構成がお上手〜〜〜」って感じで最高です。

 さらにこの描写によって、ちなすずというカップリングの構造の美しさがよりパワーアップしたように感じます。この辺を語ると多分記事が一本出来るレベルだと思うので深くは突っ込みませんが、(多分最終回後に「ちなすずの構造」みたいなタイトルでなんか書くと思います)これまで一方的に憧れる/憧れられるという関係だと思われていたちなすずが、本当はそうじゃなかった、むしろ始まりは逆だった、ということが示されて、よりちなすずの構造におけるシンメトリーな美しさが強化されたように感じます。そう、やっぱり「対」なんですよねこの2人は。すず子役の橋本ちなみさんがニコ生で「すず子と千夏は陰陽」とおっしゃっていたように、森川千夏と穂村すず子は互いを補完し合う半身同士なんですよね〜〜〜〜〜。いやすず子は森川と出会わなかった方が幸せな人生を過ごせてたかもしれませんが、きっとどんなに傷つけられたとしてもすず子にとって森川の存在は欠かすことのできないものなんでしょう……。そういうところだぜ……。

 では次に具体的な描写そのものを見ていきたいと思います。まず森川が一人で砂山を作ってるっていうのが!やばい!!!森川は最初からスクールカースト上位者というわけではなかったんですね…。幼稚園時代の森川は、名前を尋ねられてほおを赤らめながら俯いたり、表情の変化に乏しかったり、すず子から「一緒に本読もう!」と誘われたのに隣ではなく距離を置いて座ってすず子の反対向いて本だけに集中してたり、本当に絵に描いたような内気ガールで笑いました。それが今では文武両道の元バスケ部・コミュ力激高・色仕掛けから暴力による脅迫までお手の物な恐ろしい女になってしまった……。好き……。

 いやマジで森川千夏にここまでの変化をもたらしたのが穂村すず子以外の何者でもないのがすごすぎる。今現在の森川千夏は2話の覚醒以後も含めてまるごと穂村すず子に呼応するように生み出されているっていうね。本当に圧がすごい。前の記事で喚き散らしたように、森川の異常な負けず嫌いさや嫉妬深さは生来のものなんでしょうが、穂村すず子への敵対心でそれがより加速しているのが見て取れますしね。何もかもすべてがすず子ありきの行動なんですよ森川は。おそらく自分では気づかないふりしてるんでしょうが……。

 すず子にしても、どうしてあんなに反応の悪い森川に何度も声をかけたんでしょうか。普通なら途中で心が折れるというか、何この子つまんないってなって興味を失ってしまいますよね。でもそうはならなかったというところもすごく好みです……。6話において森川千夏→穂村すず子はこれ以上ない形で完璧な説明がなされたわけですが、原初に戻った時点での穂村すず子→森川千夏には合理的な説明ができない……。あるいはすず子に博愛的な傾向があると仮定した場合、森川に対する声かけも別に特別なことではなく、周囲の人間に対して平等に与えられる慈悲だったと考えられますね。だとすると……。そのへんについては項目4で詳しく書きます。

 項目2に入ります。森川千夏の穂村すず子に対する恐るべき負の感情……。こちらについては前回の記事で詳しく書いたので、オタクの自分語りがセットでついてきても気にしないよって方は読んでみて下さい。私の解釈だと、森川千夏の本質は圧倒的に負の側にあります。2話の時点だと「逆ご都合主義で畳み掛けるように追いつめられた結果壊れた」という風にも受け取れるんですが、6、7話を見ると7話ラストで森川自身が「ようやく私になったの」と言った通り、もともとこういう人間性だったのを内面化された穂村すず子の視線によって矯正していただけに思えるんですよね。「優等生で、いつも正しくて」「間違ってると思ったら先輩にも先生にも食ってかかる」という性質は本来の彼女の暴力性や勝気さにすず子の視線というテコ入れがなされた結果なのかなあとも思います。兎にも角にも、森川千夏→穂村すず子が最初から「愛憎」としか形容できないものだったとわかり、「あーやっぱりちなすずって私のためのカップリングだな…」感がさらに増しました。ありがとうございます。

 項目3です。はい、ここが一番ヤバいですね。5話までは「穂村すず子と森川千夏のズブズブ共依存」だと思われていたちなすずでしたが、蓋を開けてみると実は「森川千夏がズブズブ共依存の沼に穂村すず子を無理やり引きずり込んだ」というものでした。怖いってもんじゃねえ……。森川マジでお前の世界には「すず」と「それ以外」しかないのかよ……。

 要するに、「すず子からの憧れの視線に快感を覚えてそれを内面化した結果歪んでしまった森川千夏」という構図ではなく、「すず子を独占するために自分に対する依存を植え付けようとしたくせに、今になってそれをすず子の存在ごと否定しようとしている森川千夏」だった訳です。つまり全部森川千夏が悪い。こいつほんま最悪の女やな……そこが好き……。

 だから穂村すず子さんは森川千夏に出会わなかった方がずっと幸せな人生を送れていたはずなんですよね。「要らない!私の中の貴女は全部消えて!すず!」じゃないんだよ森川、むしろ要らないのはお前の方だよ森川……。でも穂村すず子は森川千夏を見捨てないんですよ、それどころか「その手をつかみたくて がむしゃらに駆け出した」になるんですよ〜〜〜〜〜!!!やっぱり『undeletable』は穂村すず子の歌なんだよな……。穂村すず子さんは森川千夏の綺麗な面だけじゃなくて、ドロドロした負の面も全部ひっくるめて好きになってくれる人だと思います……。でも森川はおそらくそう思ってないんですよね。「穂村すず子の理想の人間」でなければ自分のことなんて見てくれないと思っていそう。森川は全部自分の思い込みありきで行動してるフシがあるので、すず子に対しても「汚い独占欲にまみれてて、その上なにもかも上手く行かない惨めな私のことなんてきっと貴女は見捨てる、その前に私が貴女を捨てる」くらいのことを思ってても不思議じゃない。森川千夏の精神状況は複雑過ぎて筆舌に尽くしがたい……。ぜひロストレージでもオフィシャルファンブックを出してもらって、監督や脚本の方による森川のキャラ造形に関する記述を見たいです。ホビージャパン頼んだぞ。

 項目4に行きます。はい、6話は森川関連が諸々衝撃的でしたが、同様に驚かされたのが穂村すず子の人間性に関してでした。ぶっちゃけ5話までは、頼れる他人に後押しされないと何もできない依存タイプなのかな〜と思っていました。それでも主人公なので物語の途中で覚醒するだろうとは予想していましたし、一度リルに鼓舞されればまっすぐ前を見据えて冷静に自分のバトルを展開できていたので、本質的には強い子なんだろうとは思っていましたが。

 でもあそこまで「赤」!主人公色!!って感じのキャラだとは思ってなかったんですよ、幼稚園時代の回想を見るまでは。6話見る前は、すず子ってよくも悪くも「THE・女」ってキャラだと思ってたんですよね。優しいしかわいいし家のこともできるし素直だけど、それしかない、みたいな。他人に示してもらった道を疑問を持たずにただ歩くことしかできなさそうというか、なんかこうぽや〜っとしてて夢見心地の乙女っぽいなと感じてたんですよ。(そしてそこが将来的にバリキャリやってそうな森川と正反対すぎて相性最悪そうだと思ってた)だけど本当のすず子は違ったんですよね。彼女は月ではなく太陽だった……。

 彼女は他人がいないと何もできないどころか、むしろ周囲をその柔軟な発想力でもってぐいぐい引っ張っていくタイプだったのです。すごい、全国の企業が欲しがってやまないタイプの人材じゃん。そんな人間がどうして6話までの引っ込み思案で弱気な少女になってしまったのか。はい、言わずともわかりますね。9割9分森川とすず子父のせいです。こいつらのどちらかがもうちょっとまともだったらLostorage incited WIXOSSの物語は始まっていませんでした。転校の繰り返しによって娘にかかる負担も考えず、ひたすら仕事に逃げてコミュニケーションもろくに取らない、その上おそらく家事全般を娘に丸投げしてるダメ親父と、良きアドバイザーの親友だと思ってたら、その実相手を独占したくてたまらないあまりに自分に対する憧れと依存を刷り込んでくるタイプだった激重レズビアンによって精神的に追い込まれてしまった穂村すず子さん普通にかわいそう……。まあそれでもすず子は父親や森川を嫌ったりはしないのでしょうが。なんかこの辺ちょっと穂村すず子と戸賀崎幸がダブりますね。ちなすずはるみさちとはまた違う道を選ぶんじゃないかと思うのですが、具体的にどうやって森川千夏の素直な感情を引き出すつもりなんでしょうか。気になりすぎて毎週金曜日が待ち遠しくて仕方ありません。最終回を泣かずに見る自信がないのですが、困ったことにいつも居間のテレビで見ているので親がそばにいるケースが多いんですよね。森川千夏を見ながら号泣してるところ絶対見られたくない……。

 項目1で少し触れましたが、「なぜ穂村すず子は森川千夏に声をかけたのか問題」がまだ解決してませんね。この点は本編でも詳しく描写されていないので何とも言えませんが、前作主人公のるう子が「博愛的」と評され、劇場版の実質的なヒロインだった幸にも「るう子と似た部分がある」と言われていたことから考えて、そうした性質をすず子が引き継いでいると仮定した場合、森川に声をかけたのも、すず子にとっては本当にただの「当たり前の行為」だったのかもしれません。そうなるとちなすずの闇がいっそう濃くなるんですよね……。森川にとってすず子は最初から「唯一の存在」だったわけですが、すず子にとっての森川は「大勢いる友達の中の一人」だった可能性が出てきますから。とすると今の相互依存関係は、森川が必死に努力してすず子を太陽の座から引きずり落とした結果ということになってしまうんだよな〜〜〜!!!いわば堕天ですよ堕天。森川は穂村すず子の白い翼(なにげにリルにも生えてる!繋がった!)をもいで自分の鳥かごに入れてしまったんですよね〜〜〜〜〜。ちなすず罪深い〜〜〜〜〜。もし巨大女性向けジャンルのカップリングだったら、天使と悪魔パロの作品が胸焼けするほど出回ってますよ〜〜〜。私はその手のパロディにはあまりピンと来ないタイプなんですが……。(自分から言っといてそれ?)

 イケイケドンドン項目5です。ここで公式サイトを開いてみましょう。そして穂村すず子のキャラクター解説ページを見て下さい。「親友と呼べる友達は皆無。唯一の親友だった千夏の存在とその思い出に過剰に依存している。」……すごい、最初にこの文読んだときも相当闇だと思ったのですが、今見ると本当にヤバくて絶句ものですね。

 だって、池袋にいた幼少期の穂村すず子はたくさんの友達に囲まれてたじゃないですか。「すずちゃん、何してるの?」なんて声もかけられてたわけですし。「すずちゃん」ってかなり親しみが込められた呼称ですよね。そんな彼女が「千夏以外に親友がいない」って、んなわけないと思うでしょ。でもこれは事実なんですよね。森川千夏が穂村すず子を囲い込んでいた結果ですよ。本当に怖い。具体的にどうやってたかはわかりませんが、森川はすず子に自分以外の親友ができないように裏から手を回してたんじゃないかと思います。いやまあそこまでガチに怖いことはやってなかったと思いますが、学校でも休みの日でもできるだけすず子にべったりくっついて、他人を寄せつけないような雰囲気を作ったりはしてそうです。でももしちなすずが同じ中学に通ってたら、森川も本気出して(すず子に近づく人間に対する軽い脅迫やいじめスレスレの排除行為を含むような)穂村すず子の囲い込みを始めてたような気がします。そういう同人誌をな……出したいよな……いつか……。

 はい、次は森川千夏のキャラクターページに移動してください。「小さい頃から成績優秀で運動も得意な優等生。おっとりした性格のすず子とはなぜか気が合い、いつも一緒に遊んでいた。すず子が向けてくる憧れの感情を誇らしく思っていた。」じゃねえんだよ公式!!!!!何しらばっくれてんだコラ!!!!!!

 すみません、取り乱しました。でもこれすごくないですか?嘘は言ってないけど重要なことを何一つ言ってない。「なぜか」じゃねえんだよ「なぜか」じゃあ。あんなの出会いからして必然も必然じゃん。ていうかむしろおっとりというかマイペースの極みだったのは幼稚園時代の森川のほうだよ。「憧れの感情を〜」のくだりにしても、森川自身がそう仕向けてたんじゃん……という事実を知った今では薄ら寒い文章に見えます。優等生なのだって、すず子の気を引きたくて必死になった結果だという可能性を考慮すると……うん……。公式サイトの説明文こわいよお……嘘は言ってないけど真実もどこにも載ってないよお……。

 やっとラストの項目6です。この時点でもう8000字超えてるんですが読む人いるのこれ?それはともかく、6話の描写をふまえた上で1〜5話を見ると『森川ァ!!!!!」と叫びたくなるシーンが続出します。それらを細かく列挙していくと文字数が大変なことになりそうなので、個人的にポイントだと思った2点だけにしますね。まずは2話。「ちーちゃんみたいになりたい」というすず子の言葉を受けての「すずはそのままがいいよお」です。ここの意味の変化を最初に指摘したのは私ではなくインターネット掲示板のオタクだったので、それを見た瞬間「負けた……!!!」となりましたが、まあそれはどうでもいいですね。2話時点で「そのままがいいよ」という言葉の裏に「そのままでいてもらわなければ自分が優位に立てないので困る」というニュアンスが隠れているのでは?というのはみなさん思っていたでしょうが、6話で駄目押しが来た形です。しかも思ったよりよっぽど深刻で切実な願いでした。自らの優位性を守らなければ、森川はすず子を独占できない(と思っている)んですよね……。怖いけどつらい……。

 次に飛んで5話です。森川が「貴女の都合のいいように私を使わないで……。虫唾が走る!!!」と叫んで思い出のマスコットを踏みにじるのですが、ここで森川が本当に否定したかったのは、穂村すず子を縛り付けようと必死だった自分自身だと思うんですよね。だって踏みつぶしたマスコットを作ったのは森川自身ですよ?多分あのマスコットって、「すず子が引っ越す」となって、離れてしまってもどうにかすず子を自分に繋ぎ止めておきたくて必死に考えた結果の苦肉の策だったと思うんですよ。つまり、あのマスコットは森川千夏の穂村すず子に対する並々ならぬ執着心の象徴みたいな側面があったと思います。だからここで「虫唾が走る」のも踏みにじったのも、すず子ではなくかつての自分自身だったと思うんですよね〜〜〜。森川……お前って女は……。自分に都合良く相手を歪めていたのもすず子ではなく森川自身のほうですしね。本当にすべてが自分の中で完結してる人間だなあ……。そのくせ他人にガンガン八つ当たりするんですからろくでもないやつですよ本当に〜〜〜〜〜そこが大好き〜〜〜〜〜〜〜。

 

これからのちなすず

 はい、長いおさらいが終わっていよいよ本題……と言いたいところなんですが、ぶっちゃけ言いますと、ちなすずがこれからどうなるかさっぱりちっとも全然見当もつきません!!!!!!!

 こんだけ長々前置き書いておいてそれ!?と怒られそうですが、だってわかんないんだもん。ていうか、もう下手に予想とかしたくない。ただひたすら公式からのお答えだけを待ちたい。森川千夏が果たしてどこまで闇の果てを走っていくのか、どうやってすず子はどこまでも逃げる森川のその手をつかむのか、すべてはもう公式だけが知っている。完全に作品世界に没入してしまっている私はもう、その答えを座して待つしかできません。

 強いて言うなら、森川が周囲に及ぼした数々の被害の落とし前をどうやって付けさせるつもりなのかだけが気がかりです。私はもはや森川千夏ガチ恋勢(詐欺に遭って捨てられる前提)なので森川がどんな悪人の道を歩もうと最後までついていくつもりなのですが、一般視聴者目線だとそうもいかないじゃないですか?森川がなんやかんや救われたとしても、何らかのしっぺ返しがないと不満に思う視聴者が結構出てきそうな気がするんですよね。まあそういう人間はほっとけばよくない?とも思うんですが、ロストレージくんはクソ真面目な作品なので、作劇上の要請として森川に対する因果応報をバッチリ用意してきそうなんですよね……。あの……森川が非常にアレな女なのは私もわかるんですが、頼むから手加減してあげて……。好きな子が辛い顔してるところ見たくないの……。お願い……。穂村すず子さん本当に森川千夏のことをよろしくお願いします……!!!(何目線?)

 

おわりに

 なんとこの死ぬほど胡乱な文章、1万字超えてます。マジで誰が読むの???ここ読んでる人いる???もしおられましたらありがとうございました。お疲れ様です……。もう書きたいことを書き尽くしたので特に付け加えることはありませんが、卒論もこれくらいスラスラ書けたらいいのになあと思いました……。以上です。本当にありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

読まなくていいおまけ

 7話の森川千夏ちょっといちいち性的すぎるだろ!!!!!!!そういうのやめろ!!!!!!!!何回7話リピートしたかわかんねえよ!!!!!!もういや……。好きなカップリングの片割れをそういう風に見たくない……。助けて……。6話見てあまりにも自分の思考回路に似すぎててこりゃアカンと思ってたら7話ぶち込まれてもう……。森川にどういうスタンスで接すればいいのかわからない……。とりあえずめっちゃ優しくされた後に壷とか絵画とか不動産を法外な値段で売りつけられたい……。以上です………。